第14回応募30
ほかりん様
エピソード内容
「危ないから返して」
私はそう言いながら実は悩んでいた。
だって免許を返すことが、父から生き甲斐を奪うことになるから。
でも思った。
父が免許を返すとき。それは私が恩を返すときなんだって。
父から免許と自由を奪うなら、今度は私がそれを上回るような幸せを与えよう。
外出は私が送迎するって。買い物も通院も任せてよって。父は難色を示した。だけど「やらせてほしい」って頭を下げた。「一緒にいたいんだ」って思いを伝えた。そしたら納得してくれた。
確かにスケジュールを合わせるのは難しい。だけど一生のうち、親孝行できる期間は結構短いことに気がづいた。育ててくれた恩返し。それは今しかできないし、今だからできると思っている。ひとりより、ふたり。いま、助手席にいる父は嬉しそうである。
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