バス運転手の愛想が悪い理由
安全運転と時間管理に努めるバスの運転手。日々多くの乗客に接するため、サービス業のように積極的なコミュニケーションが求められることもあります。ここでは、バスの運転手に「愛想」は必要なのか、接客態度が悪いと言われる理由などについて詳しくまとめています。
バス運転手の愛想が悪い理由
バスの運転手は愛想が悪いと言われることがありますが、運転手は運転が仕事。基本的に乗客と言葉を交わす職業ではないため、道路状況を意識して、愛想が二の次になっている可能性があります。
愛想が悪いと感じるのは、乗客のことが嫌いで意識的に無視しているからではなく、それ以外の部分に意識を集中しているため。運転や運行状況、時間管理などに目を向けている結果と言えるでしょう。
実際、バス会社の研修や講習では、接客に関してはそれほど重視されていません。どのバス会社でも安全運転や交通ルールの遵守、運行時間の厳守などを徹底していますので、愛想に関しては各個人の判断に任せるといったところでしょうか。
運転に集中しているために、無表情になってしまう方も多いですし、車内アナウンスやICカードのチャージなど、運転以外にもやるべきことが多いのが実情。そのような環境で愛想をチェックされても対応しきれず、困ってしまう方が多いようです。
バスの運転手に愛想は必要?
運転手も一人の人間であり、性格や心持ち、その日のコンディションも違います。ふとしたことでネガティブな気持ちになり、接客態度に反映されてしまうこともあるでしょう。
そのため、愛想に関してはそれほど重視されていません。肉体的な負担も大きいので、バス会社は愛想について厳格な規定を設けてはおらず、運転手の裁量に任せているところが多いようです。
運転手の業務は、安全に乗客を目的地に送り届けることです。必要がなければ乗客とコミュニケーションをとる必要はないので、最低限しっかり運転しようという気構えで業務を遂行しています。
すべての運転手に愛想良く振る舞うよう指示しても、実際その通りにはならないと考えられますが、バス会社からは最低限のマナーを守るように指示されているはずなので、運転手に愛想がなくてもマナーは押さえていると考えるべきでしょう。
しかし、乗客に対して暴言を吐く、命令口調で案内をする、障がいの方に無理な要求をする、途中で降車するように指示するなど、信じられない態度をとったケースも報告されています。
このような特異な事例は論外ですが、基本的に愛想が重視される業界ではないため、運転手がつい感情に任せて横柄な態度をとってしまう場合もあるのです。
日ごろから、バスの運転手は接客態度よりも安全運転を第一としています。接客業のように、乗客に直接話しかけてサービスや商品を提供する仕事ではないので、業務に一途になるほど愛想が抜けてしまう方も少なくありません。
運転手はサービス業の従業員ではなく、自動車運転者として位置付けられています。接客は最低限のラインにとどめていても、運転や時間管理がきちんと押さえられているかが見られます。
ただし、タメ口や乱暴な言葉使い、喧嘩腰の態度などはNG。乗客に被害を与えたり、運行を正しく行えなかったりといった場合には、バス会社そのものが問題視されます。
安全運転が基本のお仕事
普段から運転や運行が正しく行われていれば、バスの運転手が必要以上に愛想を良くする必要もありません。もちろん乗客と良い関係性が築ければ理想的なのですが、コミュニケーションが過剰になってしまっても、本分を逸脱していると誤解されてしまうでしょう。
これからバスの運転手を目指す方は、節度ある運転を心掛けつつ、適度な接客についても意識してみてはいかがでしょうか。