バス運転手が仮眠をとるタイミング
長距離走行を行なうバスの運転手は、安全運転をするために仮眠が必須。ここでは、バス運転手がどのタイミングで仮眠をとるのかについて、詳しく紹介します。
バス運転手の休息時間
バスの運転手は、国土交通省が定める労働基準法によると、継続して8時間以上の休息時間が義務付けられています。連続運転時間は4時間以内とし、1回連続10分以上、合計30分以上の運転離脱を設けています。
各社の拘束時間にもよりますが、バスの運転手はこの運転離脱中、または8時間の休息時間に仮眠や就寝を行なうことになります。十分な仮眠がとれない激務すぎる事業所も問題になっていますが、安全運転を心掛けるためにも休息は必須。
観光客や長距離を移動する乗客を乗せるバスでも、この規則にしたがって運転を行なうことが義務付けられているのですが、過酷な現場ではまとまった休憩時間がとれないので、すき間時間を見つけて仮眠をとるケースが少なくありません。
バス運転手が仮眠をとるタイミング
休憩時間に仮眠する
疲れが溜まっている時は、運行の合間やちょっとした休憩時間に仮眠をとることもあります。お昼休みなど、決まった休憩時間がとれれば早めに食事を終えて休むといった具合です。
運行業務が終わって、次の運行までに時間が空けば、その時に仮眠ができますから、食事を済ませて仮眠をして過ごす方もいます。
営業所に休憩用のスペースや設備が整えられている場合もあるので、そこへ戻って過ごす方も多いようです。近年では女性ドライバーが増えたこともあり、女性用の休憩室が備えられている営業所もあります。
車の中で仮眠する
1時間以上の長距離を走行する場合、15分から30分程度の休憩を挟んで目的地に出発します。この15分~30分という時間は、運転手にとっては絶好の仮眠時間。
ただし、急にバスを動かさなければならない場合などもあるため、仮眠室に入って体を横たえる暇はほとんどありません。そのため、ドライバー席で軽く目を閉じるなどして仮眠をとることが多いです。
交代の後に仮眠する
二名体制で運転をする場合、自分の勤務が終わった後に仮眠室に入って就寝します。数時間にも及ぶ長距離移動では、できるかぎり運転手の負担を減らすために、仮眠室を備えているバスが多くみられます。
一人の運転手が運転しているあいだ、もう一人は仮眠室に入って体を横たえます。しっかりと眠れるように、自分専用の枕やブランケットを持ち込んだり、アイマスクなどのアイテムを持参したりするケースも。
待ち時間に仮眠する
観光地などでバスの乗客がスポットを巡っているあいだは、バスの運転手の待ち時間となります。ここで仮眠室に入ったり、または運転席で眠ったりして疲れを落とします。
サービスエリアで仮眠する
トイレ休憩などに使われるサービスエリアは、バスの運転手にとって貴重な仮眠場所の一つ。乗客がトイレに行ったり、食事をしたりしているタイミングで、仮眠室に入って休憩します。運転席では座ったままの姿勢でゆっくり休めないこともあり、仮眠室が使われます。
サービスエリアでの休憩は長くても小一時間程度。まとまった時間がとれないため、熟睡とまでは行かないのですが、ベッドに横になって目を閉じるだけでも疲れがほぐれます。
まめな仮眠で安全管理を
長時間の運転では、同じ姿勢で体が固定されるため負担がかかります。また、道路状況や時間を気にしながらの緊張状態に置かれるため、仮眠でリフレッシュすることは必要不可欠。
バスの運転手は勤務中常に緊張状態に置かれるため、工夫をしながら仮眠をとって、疲れを癒しながら業務にあたることが安全運転のポイントとなります。