トラック運転手の独立開業
トラック業界では5台以上のトラックを保有して貨物運送取扱業の資格を取得して事業を行なう方法のほかに、「車両持ち込み」で独立するシステムもあります。
トラック運転手の独立開業
トラック業界では5台以上のトラックを保有して貨物運送取扱業の資格を取得して事業を行なう方法のほかに、「車両持ち込み」で独立するシステムもあります。
持ち込みとは、自分でトラックを購入し、請負契約という形で仕事を引き受けます。運搬した荷物の運賃から10%前後のマージンを差し引いた分を収入として得ることができるので、働いた分だけ稼げる完全歩合制となっています。
ただしこの方法は違法なので、通常は国土交通省による認可を受けてから開業することになります。また、車のメンテナンスや保険などもすべて個人事業主持ちとなります。休みなく働かなければ元手が回収しきれず、事業を中止せざるを得なくなる可能性も。
法人化のためには、トラック5台にドライバー5人、運行管理者1人を揃え、国土交通省から一般貨物運送取扱事業許可の認可を得れば、緑ナンバーのトラックを扱うことができます。認可を受ければ荷主から正式に荷物を依頼され、目的地まで輸送ができるようになります。
トラック運転手の独立費用
トラック持ち込みの場合は1台分のトラックの代金と、自前の車庫もしくは駐車場代金などがかかります。自動車保険にも加入しなければならないので、そちらの費用も見積もっておく必要があるでしょう。
個人経営の場合会社設立の必要はありませんが、一般貨物自動車運送事業許可を得るためにはトラック5台の購入費と車庫や営業所にかかる費用、その他ドライバーの雇用にかかる費用もすべて含めますので、トータルで1,000万円程度は見積もっておく必要があります。
個人事業主は社会的な信用が低いため、法人化しなければ融資が受けづらいのが現状です。そのため、法人化して開業し、融資を受けて開業資金とする方が圧倒的です。
法人で運送業を始める場合、会社設立のための手続きなどが必要になりますが、多額の資金を貯蓄から準備せずに融資という形で工面ができるので、開業までが比較的スピーディです。
個人経営よりも法人のほうが信頼を得やすく、さらに人材の確保もスムーズに運びます。個人事業主として開業し、その後業務拡大に合わせて法人に切り替えることも可能なので、持ち込みから徐々に事業を大きくしていくトラック運転手も少なくありません。
いずれにしても、国土交通省からの認可が得られなければ違法行為となってしまうので、きちんと手続きや順序を踏んで会社を設立することが大切です。
トラック運転手としてのスキルはもちろん、独立開業すると雇用者側の視点も必要になるため、やるべきことが増えていきます。独立や法人化の予定がある方は、資金面とスケジュールの両方にゆとりを持たせながら、しっかりと準備をしておきましょう。
ステップアップしながら事業拡大を目指す
トラック運転手でも、独立開業や法人としての事業展開によって、多くの収入を得ることが可能となっています。ただし何事も初めのうちは要領がわからず、苦戦することがあります。
独立をしてから名前が知られるようになるまでには、一つでも多くの信用を得ることが大切。独立のためにしっかりと準備を行ない、得意先やトラック仲間などの人脈もフルに活用する必要があるでしょう。
インターネット上で仕事を引き受ける場合は、迅速に問い合わせに対応できるように体制を整えておかなければなりません。
事業が始まったら、仕事の幅をどんどん広げていき、今まで以上に人脈を駆使することになります。事業が軌道に乗るまでは休みを返上する覚悟で取り組むことが大切です。