第6回応募23

得留様

エピソード内容

自家用車には縁がなく育ち、「曲がるときはウィンカーを出す」ことすら教習で初めて知ったレベルでした。就職して地方住みになってもペーパードライバー道を邁進中の私に、あるとき弟が、「買い替えるから」と車を譲ってくれました。しかしいきなり運転できるわけもなく、都合をつけて弟が助手席で指南してくれることに。さすがは自衛隊で戦車の運転もしているだけあり、運転席に危ない奴がいても、リスクヘッジは大したものでした。社宅の駐車場から周辺を回り、なんとか戻ってくることができて、ほっとしながらもへろへろの私。さあ最後は車庫入れだね、というときにやってしまったのです。駐車場は屋外で、ラインがひいてあるだけの作り。もちろん、周りには同じ会社の人たちの車が並んでいます。その場所で・・・ブレーキとアクセルを間違えたのです。車はギュインと進み、聞いたことがないほど焦った弟の「アホ！」という声と同時に、奇跡的にギリギリでブレーキに踏みかえました。鼻先スレスレには、入社直後から仕事でもプライベートでも親切に乗せてくださっていた先輩の車が。もしあのままぶつけてしまっていたら、と思うと身が縮みます。そのときの車庫入れは弟に交代しましたが、また運転に挑戦する気になるまでだいぶかかりました。おかげでとても慎重なドライバーになったとは思いますが、現役自衛官すらビビらせた私のエピソードが、お気晴らしになれば幸いです。

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